平成30年(2018)6月の中旬、梅雨の中休み。東京湾に注ぐ二俣川(帷子川水系)の水源と相模湾に注ぐ阿久和川(境川水系柏尾川支流)の水源を巡るまち歩きへ。かつては武蔵国と相模国の国境となっていた分水嶺(分水界)を跨いで、都市化の進んだ市域に残る両河川の水源地を訪れる。
二俣川から希望が丘水の森公園、長屋門公園へ
相鉄線二俣川(ふたまたがわ)駅前を出発し、二俣川の水源「希望が丘水の森公園」を街なかに訪ねる。その途中で「南希の森緑地の紫陽花」も観に行く。更に分水嶺を越えて阿久和川の水源「長屋門公園」へ。
相鉄線二俣川駅北口の、竣工して間もないタワーマンション前。
二俣川駅前からまずは希望が丘水の森公園へ、二俣川沿いの谷戸みちを自転車でゆく。厚木街道沿いに海老名方面へ少々進むと、さちが丘方面に抜ける歩行者自転車専用道があるので線路下をくぐっていく。
地下道のスロープを抜けて線路の南側に上がると、自動車専用のさちが丘跨線橋が線路を跨いでいる。
歩行者自転車専用道を進み、車道へ。
コンビニの前で分岐となる。ここを右手に入り、相鉄いずみ野線のガード下をくぐって進んでゆく。
なお左方向は桃源台、善部町(ぜんぶちょう)、阿久和へと進む道。善部町付近は東海道新幹線と並行している。
二俣川はこの付近で三方向に分かれている。今回訪れる「希望が丘水の森公園」の水源地はそのうち中央を流れる谷戸(やと)の最奥にある。
いずみ野線ガードをくぐっていった先、歩道の下は暗渠になっている模様。これは元々の河川が付け替えられて造られたもののようだ。
月極駐車場の向こう側、谷戸の斜面緑地が「南希(なんき)の森緑地」として整備され、公園になっている。ここは多種多様なアジサイが斜面を覆うようにおよそ900株も植えられており、紫陽花の季節はとても見ごたえがある。
梅雨の季節を彩るアジサイ(ハイドランジア)の花は、水のイメージ。季節の和菓子でも紫陽花をかたどったものは透明な清涼感あふれる葛や寒天で作られることが多い。ハイドロ(hydro)はギリシャ語で水を意味し、園芸とりわけ観葉植物好きにとっては「ハイドロカルチャー」(水耕栽培)で馴染みがある。
ここで「南希の森緑地のアジサイ」を観に立ち寄っていく。
「南希の森緑地の紫陽花」
通りをさらに進み、信号を過ぎて道幅が狭くなった先をしばらく行くと、県立希望ケ丘高校の正門。このときは記念祭(同校の前身となる旧制神奈川一中の開校(明治30・1897年6月18日)を記念した文化祭)が開催されていた。
この付近で川は暗渠からいったん開渠になる(川の流れは高校正門の向こう側となる)。
さらに進むと、右手(谷戸の左岸側)に希望が丘ふれあいの森公園。ここは谷戸の傾斜地を利用した公園。
希望が丘水の森公園に到着。こちらは谷戸側の入口。
希望が丘水の森公園は平成10年(1998)の開園。広さはおよそ0.9ヘクタール(100m四方×0.9)。荒れがちであった水源地の林が、市街地に残る湧き水として貴重であることから公園として整備された。
早咲きの百合。
ガクアジサイも。
谷戸の湧き水がつくる、水源の池。
池に沿って奥へ。
奥の広場からは尾根側の入口に上がることができる。
入口に戻り、長屋門公園に向かう。
水の森公園を出て左手に南希望が丘中学校を見ながら登っていくと、平坦な尾根みちに出る。
長屋門公園のある瀬谷区側へは、中学校敷地の角から軽自動車が入っていく一方通行の狭い道をゆく。
一方通行の狭い道を進んでいくと、左右に横切る平坦な尾根みちに出る。標高は80m。
この道は旭区・瀬谷区の区界となり、この区界が武蔵・相模の旧国境となる。
この道を右に進むと三ツ境駅を経て瀬谷市民の森・追分市民の森の野境道(のさかいみち)へ。左に進んでいくと善部町から緑園(りょくえん)を経て大池町のこども自然公園(大池公園)に至る。
瀬谷市民の森の「のさかいみち」と、こども自然公園内の「武相堺道」は古道が往時を思わせる雰囲気のままに残っている。
区界(旧国境)を越えて、正面を瀬谷区(相模国)側へと下っていく。
だらだらと下っていく坂道の正面に森が見える。
右手に月極駐車場。駐車場の角を右に入っていくと、長屋門の建つ長屋門公園。
月極駐車場には製糸場跡の案内板がある。
このあたりでは立派な門を構える旧家も目に付く。長屋門公園の長屋門は旧大岡家のものであり、製糸場跡案内板に見る大剛社の社長大岡氏が当主であった。
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