2.開成町瀬戸屋敷ひなまつり
築300年の古民家「あしがり郷(ごう) 瀬戸屋敷」で開催された令和七年(2025)の吊るし雛まつり「開成町瀬戸屋敷ひなまつり」を観に行く。
吊るし雛まつりの期間、瀬戸屋敷へは週末のみ小田急線開成駅から無料のシャトルバスが出ている。なお公式サイトによると開成駅から瀬戸屋敷までは徒歩50分、最寄りの路線バスのバス停(新松田駅発関本(大雄山駅)行き箱根登山バス・四ツ角)からも徒歩15分。
今回はそちらを使わずに一駅隣りの新松田駅から散策がてら歩いていく(徒歩40分)。
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足柄・開成町の瀬戸屋敷、瀬戸酒造店めぐり

令和七年(2025)2月下旬にさしかかった頃の週末、神奈川県足柄上郡開成町(あしがらかみぐん かいせいまち)へ。桃の節句も間近な季節、築300年の古民家「あしがり郷(ごう) 瀬戸屋敷」で開催される吊るし雛まつり「開成町瀬戸屋敷ひなまつり」を観に行く。続いて近隣の瀬戸酒造店・一畳酒場へ。

 

2.開成町瀬戸屋敷ひなまつり

 

吊るし雛まつりの期間、瀬戸屋敷へは週末のみ小田急線開成駅から無料のシャトルバスが出ている。なお公式サイトによると開成駅から瀬戸屋敷までは徒歩50分、最寄りの路線バスのバス停(新松田駅発関本(大雄山駅)行き箱根登山バス・四ツ角)からも徒歩15分。
今回はそちらを使わずに一駅隣りの新松田駅から散策がてら歩いた(徒歩40分)。

 

1.新松田駅から「あしがり郷瀬戸屋敷」へはこちら。

 

 

瀬戸屋敷の表門。受付テントにて、ひなまつり入園料500円(2025年現在)を支払う。

 

 

 

門の外で竹の馬を繋ぎとめているのは、駒つなぎ石。これは屋敷への来客が乗ってきた馬の手綱を結んでおくもの。

 

 

 

名主であった瀬戸家の屋敷の表門は、寺院や城郭建築によく見られる薬医門(やくいもん)の形式。

名主など豪農の屋敷の門は長屋門(ながやもん)が造られることが多いイメージだが、瀬戸屋敷も大正時代までは長屋門だった。長屋門の部屋(オトコベヤ)は男子の使用人(ニーヤ)が居住していたそうだ。しかし関東大震災(大正12・1923)で倒壊。その後親戚筋の屋敷の裏門を譲り受けたのが現在の門、という。
参考「町制施行六十周年記念 開成町の古民家」

 

 

 

薬医門の構造は、屋根を支える梁が外側の柱(本柱)よりも外側(表側)に突き出している。こうして切妻屋根の棟が内側外側の柱の中央よりも外側に寄ることで屋根を表側にせり出させて軒下を深くし、重厚な印象を与える。

 

 

 

築300年の主屋。

 

 

 

主屋の屋根は分厚い茅葺の寄棟造(よせむねづくり)となっている。

関東の丘陵地域で谷戸田(やとだ)を耕作しつつ養蚕も営む農家では屋根裏を養蚕部屋に用いるために通風、採光の開口部を確保するカブト屋根が多い。これに対して江戸時代の金井島は豊かな水田が広がる水田単作地帯だった(故に養蚕を営む必要が無かった)。そうした地域性による建築の違いがこんなところにも現れている。

大棟(おおむね)の端にはおそらく火除けのために刻まれた「水」の文字。

 

 

 

前庭には立派な枯山水庭園。

 

 

 

枯山水の三尊石(さんぞんせき)。

 

 

 

主屋の入口付近にはちょっと洒落込んで、紅い和傘を差して白梅の枝を活けた蹲(つくばい)。

 

 

 

入ってすぐの「ニワ(土間、どま。たたき。家人の出入口、土足の屋内作業場)」には、町制70周年を記念して製作されたという「あじさい雛」。

 

 

 

「ニワ」と「ヒロマ(広間)」を仕切る飾り付けは、青竹にあじさいとかたつむり。

 

 

 

「あじさいちゃんをさがせ!」というイベントが仕込まれていた。スタッフさんの話では全部で4体いるらしい。

 

 

 

「ニワ」は物販のスペースになっていた。

 

 

 

「ヒロマ」の吊るし雛と段飾り。

 

 

 

吊るし雛は今年の新作「桜の輪下げ」。

 

 

 

そして町内の蔵で発見されたという300年前の「享保雛」。題して「享保と令和の共演」。

 

 

 

「享保雛」には布袋さんとか寿老人とか弁天さまとか、七福神の人形も見られる。ひな人形も時代が変われば人形も変わる、ということか。
伝統とは変わらない理念が新しい時代をつくっていくもの、ということをここでも感じさせられた。近年のフィギュア風のひな人形も、桃の節句を現代の人に受け継いでもらうべく伝統に新たな命を吹き込む試みなのだろう。

 

 

 

あじさいちゃん一体め、めーっけた。

 

 

 

つづいて「ゲンカン(駕籠を横付けできる式台の出入口を備えた、身分の高い来客専用の玄関の間)」の雛人形。絢爛豪華な段飾りが並んでいる。

 

 

 

解説文によるとこれは「御殿飾り」といって平安の京都御所をモチーフにしたもの。段飾りが主流の現在ではなかなか見ることができないそうだ。

 

 

 

「オク(奥座敷。身分の高い来客を通す部屋)」の雛人形。こちらは「瀬戸家のお雛様」。名主を務めた瀬戸家に小田原藩主の大久保家から贈られたものだそうで、調度品に大久保家の家紋である「上り藤(あがりふじ)に大文字」が刻まれている、とある。
こちらの雛人形は三人官女や五人囃子といった、近現代の段飾りに通じるものがある。

 

 

 

主屋の裏側へ。

 

 

 

「オンナベヤ(女部屋。女子の使用人・ネーヤの居室)」「ヨジョウ(四畳)」「オネマ(お寝間。家人の寝室)」の雛人形。

 

 

 

 

 

 

 

「オネマ」の飾りは五月人形?と思ったら、「新発想の節句雛」と銘打った企画だった。案内文には、婦人会で桃の節句だけでなく端午の節句と重陽の節句をイメージした雛飾りを製作し男の子の幸せ(端午)と豊作(重陽)にも祈りを込めた、とあった。
九月の重陽の節句(菊の節句)は自分としては大人がしみじみと菊酒を楽しむ節句、のイメージをもっている。きちんと写真を撮らなかった藤色の段飾りがそれかな?もっとその場でじっくりと案内文を読めばよかった。惜しいことをした。

 

 

 

続いて、渡り廊下から土蔵へ。

 

 

 

 

 

 

 

竹の中に、おひなさま。

 

 

 

 

 

 

 

土蔵前の中庭で猿回しのショーをやっていた。

 

 

 

お見事!

 

 

 

土蔵の「大つるし雛」。10年前の60周年に製作されたもの、とのこと。

 

 

 

大きな蔵の巨大な空間に豪快に吊るされた、吊るし雛。

 

 

 

案内文によると明治20年代後半の建築となるこの蔵は戦前まで米蔵として使われたそうだ。その規模から「千俵蔵」と呼ばれたという。このスケールだからこそ、こうした巨大な吊るし雛が映える。

 

 

 

竹灯籠。

 

 

 

 

 

 

 

あじさいちゃん二体目、発見。あとの二体は分からんかった。

 

 

 

十二支の羽子板。

 

 

 

今年(令和七・2025)の干支は巳年。財運の縁起物、白蛇(弁天さまの使いとか宇賀福神(銭洗弁天)とか)がかわいくあしらわれている。

 

 

 

お内裏様、お雛様の吊るしびな。

 

 

 

土蔵の二階。

 

 

 

大掛かりな生け花。桃の小枝があしらわれている。

 

 

 

 

 

 

 

再び主屋へ。

 

 

 

「ヒロマ」に接する「チャノマ(茶の間)」。

 

 

 

こちらにも白蛇ちゃん。

 

 

 

庭先の、ドライフラワーと化した竹の花。

 

 

 

屋敷の竹林で一昨年秋に咲いたそうだ。

 

 

 

瀬戸屋敷を後にして、瀬戸酒造店へと向かう。

 

 

3.瀬戸酒造店の一畳酒場

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