3.瀬戸酒造店の一畳酒場
瀬戸酒造店は昭和55(1980)年に自家醸造を休止していたが、平成30(2018)年に復活。敷地内には旧主屋を利用した「一畳酒場」を併設している。
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足柄・開成町の瀬戸屋敷、瀬戸酒造店めぐり

令和七年(2025)2月下旬にさしかかった頃の週末、神奈川県足柄上郡開成町(あしがらかみぐん かいせいまち)へ。桃の節句も間近な季節、築300年の古民家「あしがり郷(ごう) 瀬戸屋敷」で開催される吊るし雛まつり「開成町瀬戸屋敷ひなまつり」を観に行く。続いて近隣(徒歩3分ほど)の瀬戸酒造店・一畳酒場へ。

吊るし雛まつりの期間、瀬戸屋敷へは週末のみ小田急線開成駅から無料のシャトルバスが出ている。なお公式サイトによると開成駅から瀬戸屋敷までは徒歩50分、最寄りの路線バスのバス停(新松田駅発関本(大雄山駅)行き箱根登山バス・四ツ角)からも徒歩15分。
今回はそちらを使わずに一駅隣りの新松田駅から散策がてら歩いた(徒歩40分)。

 

3.瀬戸酒造店の一畳酒場

 

2.開成町瀬戸屋敷ひなまつりはこちら。

 

 

瀬戸屋敷から3,4分も歩くと瀬戸酒造店。

 

 

 

以前から気になっていた瀬戸酒造に、ようやく足を運ぶ。水路の橋を渡って右手に、直売所。その先には赤い暖簾の掛かった門。

 

 

 

赤い暖簾の掛かった門は、蔵元の主屋だった建物がある敷地の門。現在ではリニューアルされて訪問客が気軽に立ち寄れる場となっている。右手の石積の門が醸造所・瀬戸酒造店の正門。

瀬戸酒造店の歴史は古い。元々は瀬戸の名が示す通り、名主瀬戸家の分家により1865(慶応元)年に創業された。酒田錦の銘柄名は、小田原藩の酒米の一大産地だった江戸時代の金井島村が明治期に合併により酒田村となったことに由来する。
しかし、1980(昭和55)年には自家醸造を休止。「かながわの地酒」(山成健治著。かもめ文庫)が出版された1998年(平成10年)の頃も他の酒造業者から桶買いした酒を酒田錦の名で細々と販売していた。
その一方で「神奈川酒紀行」(今井亮平著。平成24・2012年発行)には六代目当主が酒造りの復活に意欲を示す、といった趣旨の記述が見られる。
こうした流れの中で瀬戸酒造が38年ぶりに自家醸造を再開する、との記事がカナロコ(神奈川新聞)やタウンニュースから配信された(2018・平成30年3月)。東京渋谷の建設コンサルタント会社が縁あって瀬戸酒造店を子会社化し、醸造所を再生。「酒田錦」の復活に加えて新たなブランド「セトイチ」「あしがり郷」を立ち上げている。

長期に渡ったコロナ禍の影響もあって延び延びになっていた酒蔵探訪が、今回ようやく実現した。

 

 

 

お目当ては赤い暖簾をくぐった先の「庭園エリア niwa」。

 

 

 

このプロジェクトは芝浦工業大学の空き家改修プロジェクトに参画する学生さんとの協働で行われたそうだ。

 

 

 

「角打(かくうち)庭園」「一畳酒場」と名付けられた、オープンスペースへ。

 

 

 

綺麗に手入れされた庭園。

 

 

 

縁台に腰掛けるもよし。沓脱石(くつぬぎいし)から縁側にひょいと上がるのも、いいなぁ。

 

 

 

軒下の杉玉(すぎだま。酒林、さかばやし。青々とした杉玉は造り酒屋の「新酒が出来ました」というサイン)も茶枯れてきて、いい風合い。

 

 

 

座敷は一間(いっけん)の床(とこ)を設けた数寄屋風書院(すきやふう しょいん)になっている。

 

 

 

書院障子が外されてしまってはいるが、付書院(つけしょいん)の設けられた立派な座敷。オリジナルな組子(くみこ)をあしらった書院障子でも入れたらお洒落なのだけど。

 

 

 

縁側の端(付書院の裏側)に設けられているのが、コイン式試飲機。付書院は仕込み水を利用したやわらぎ水のウォーターサーバーを置く棚として利用されているので、これはこれであり。

 

試飲できるのは全6種。コイン(一枚500円で一種類試飲できる。2025年2月現在)は直売所で購入するようになっている。
直売所でスタッフの方に色々と尋ねてみたのだが、アジサイ酵母を用いた「あしがり郷」シリーズの酒もちょっと興味をそそった。あとは純米吟醸を2種、純米大吟醸が3種試飲できるのだが、「愛山(あいやま)」という酒造好適米を用いた種類が多く揃えられていた。吟醸は二種とも愛山。大吟は山田錦、雄町(おまち)、愛山の三種。愛山という酒米は初めて聞く酒米だったのだが、蔵元のこだわりというか思い入れが感じられたので愛山の大吟を試飲してみることにした。
(あとで調べてみたら「愛山」はあの「十四代」の高木酒造が力を入れて使っていることで日本酒愛好家の人気を博しているのですね。知らんかった。自分の不明を恥じるばかり。てか、十四代なんてそもそも手に入んないし。)

 

 

 

美しい庭園の眺めを肴に、愛山の大吟をクイっと一杯。
まあ、自分の舌では酒米の種類から来る味わいの違いなんて、ちょっと分かんないんですけどね。いや、大吟はどこの蔵の何を飲んでも、みんな旨いよ。間違いないよ(本当に適当な奴)。

 

 

 

今回の酒土産。
右の小瓶は純米吟醸酒「セトイチ 月が綺麗ですね」
スッキリとしたまろやかでキレイな口あたりの酒。裏ラベルに日本酒度などのスペックは書かれていないがプラスの低めかな、という印象。なんといっても個人的にはネーミングが好き(漱石先生流の「アイラブユー」ですね)。
左の四合瓶は純米酒「酒田錦」
単純に甘い辛いとかコクが有る無いではなく、生貯蔵酒(瓶詰出荷時に火入れ)であるのにどこか長期熟成させたような口あたりを感じる(裏ラベルの出荷年月は2024年6月、購入は2025年2月)。色味もうっすらと黄褐色がかった色あい。
好みのストライクゾーンが広い人にはちょっと面白い味わいかも知れない。

 

 

 

新松田駅への帰り道は瀬戸酒造店まえの県道を来た道を戻り、介護施設の福寿かいせい金井島の角で左折。その先で往路で来た道に入らずにそのまま酒匂川沿いの松並木の車道に突き当たるまで農道を直進する。

 

 

 

松並木の車道。

 

 

 

松並木の車道に突き当たったら右折。路肩が狭いが交通量は多くはない。

 

 

 

松並木の車道を十文字橋まで進んだら橋を渡り、松田小学校の入口を右折してロマンス通りを進めば小田急線新松田駅北口。
(駅の手前には「松みどり」の蔵元、中澤酒造があるわけだが、いくらお気に入りだからって調子に乗って散財してしまうのもアレなので、そちらはまたの機会に。
あと、松田小学校の入口の手前に島村商店という酒屋さんがあった(ドラッグストア・クリエイトSDの隣り)。ウィンドウをちらっと見たら「丹沢山」を扱っている。おお、いいとこ見つけた。)

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