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横浜・北の森


2.ズーラシア隣接の森から県立四季の森公園へ

1.ズーラシア隣接の森(かつての森)はこちら
1.横浜動物の森公園・植物公園(里山ガーデン)はこちら。




ズーラシア隣接の森の、中堀川(なかぼりがわ)源流域谷戸(やと)。ひかりが丘団地に上がるコンクリート階段のところに、案内板がある。
車道をぐるっと迂回して、県立四季の森公園へ。




ぐるっと迂回すると旧ひかりが丘小学校正門前、西ひかりが丘バスロータリーにある北の森総合案内図。
案内図拡大版
同様の地図は、緑区ウェブサイトに「緑と水の回廊マップ」が全体案内図として掲載されている。




神奈川県立四季の森公園の西口広場。相鉄鶴ヶ峰駅発・「西ひかりが丘」バスロータリーのすぐ近く。
ここは団地が造成される前の、尾根筋にあたる。ここから南口までの外周路が、公園をぐるりと囲む尾根。

ひかりが丘側は大規模造成により真っ平らにかさ上げされているが、公園側は谷戸に下りる谷になっており、かつての地形が残されている。

谷戸(やと)とは、小山に囲まれた浅い谷を指す呼称。鎌倉あたりでは谷(やつ)、房総あたりでは谷津(やつ)と呼ばれる。




公園案内図。広さは約45ヘクタール(100m四方×45)。  案内図拡大版
その名の通り、森が面積の多くを占めている。風致公園として整備された公園は県の鳥獣保護区に指定され、里山の景観を色濃く残す。北口から南口にかけてのレジャーエリアも相当広いが、そのエリアを挟み込むように谷戸を中心とした散策路が広大な敷地を巡らされている。




西口広場から谷戸への降り口にそびえる、ヤマザクラの巨木。幹が分かれる前の幹回りが5mを超える。この木をはじめ、園内には大木が多い。




長い木段をどんどん降りてゆく。公園というより市民の森のようだ。

四季の森公園の敷地は、当初県の宅地開発用地であったが、上下水道などの基盤整備に莫大な費用がかかることとなり計画は頓挫。遊休地化していた土地の有効活用を求める住民の声が高まり、最終的に都市公園として昭和63年(1988)に開園することとなった。
参考・「緑区の記録2上下・みどり新聞創刊20周年記念」「緑区10年の記録・みどり新聞創刊10周年記念誌縮刷版」




谷戸の底が見えてきた。こちらの谷戸は、中堀川源流域の谷戸よりも起伏がきつい。




谷戸の一番奥に整備された、ピクニック広場。染み出た湧水は、最初の細い流れとなって下ってゆく。




少し下ったところ、右手で最初に枝分かれする谷戸の最奥は、復元された不動の滝。水流はか細い。









この谷戸は江戸の昔、それほど絞り水の水量が多くはなかったようだ。この案内板に「大変苦労して水源を堀りあてて」とあるが、寺山村(てらやまむら・現緑区寺山町)の村人たちは隣接する上白根村(かみしらねむら・現旭区上白根町)の大池から引水できないか交渉したらしい。むろん、当時の村々にとって耕作の水源確保は死活問題であったので色よい返事をもらえるはずもなかった。そこで「ええい、大池側に向けて掘ってしまえ」ということになったようだ。
参考・「緑区の記録2上下・みどり新聞創刊20周年記念」

それまでいつまでも変わることがなかった滝の水量がかわったのは、案内板にもある昭和44年(1969)の奥地の開発。寺山側から見た奥地とは尾根の反対側に広がっていた谷戸、すなわち上白根側のひかりが丘団地の元の姿。




竹筒からちょろちょろと滴る、か細い流れの先に「鹿威し(ししおどし)」が造られた。静かな周囲にコーン、という音だけが響く。




沢沿いの園路。




この辺りは夏になると多数のホタルが幻想的な光を放つ。




晩秋の園路。




苔むすシラカシの大木。森の主の、貫録十分。




やがてパッと視界が開け、あし原湿原が広がる。
流水を妨げないよう、湿原の片側にコンクリート桟橋の観察デッキが設けられている。もう片側は、昔ながらの土手の道。

このアシ原も公園整備にあたって当初は埋め立てられる計画であったと聞くが、ホタルの生息が確認されたことによって湿原として残されることになった。




あし原湿原のあぜ道から、北西口への森をゆく。



















このエリアは杉やヒノキといった針葉樹主体の、ほの暗い散策路。初夏ともなると林床にはシダがびっしりと生い茂る。

ぐるりと一周して、再びあし原湿原へ。




あし原湿原の終わるあたりに、スイレン池が設けられている。このあたりで谷戸は再び枝分かれしている。




小さな谷戸は、水車小屋を経て、炭焼小屋・花木園に。
水車小屋は、かつて(昭和三十年・1955年ごろまで)この地域ではよく見られた、という。




谷戸の奥に、ムクノキの大木。根元は、やがて板根(ばんこん)に。




枝分かれした谷戸のもうひとつは、しょうぶ園に。




晩秋のしょうぶ園。




しょうぶ園の奥は紅葉の森となって、尾根に突き上げている。




アシ原湿原からさらに下流、谷戸は広々とした草原に姿を変える。草原の真ん中を、水路が流れ下ってゆく。




谷戸に鯉のぼりが泳ぎだすと、季節は初夏。




水路は流れ下った先で大きな池をつくる。
池はもう一方へ枝分かれした谷戸からの流れも注ぎ込む。写真の中ほど、蛍川橋の向こうに延びるそちらの谷戸は、最奥の南口・駐車場に至るまで、こどもたちの水遊びの場であるじゃぶじゃぶ池や野外ステージ・展望台などがレジャー施設エリアとして整備されている。

池から南口の展望台へ向かう。展望台へは、にぎやかなこどもの遊び場エリアを通るよりは尾根に上がって尾根伝いに行くほうが自然散策の雰囲気に合うので、蛍川橋の先から尾根(里山の尾根)をたどっていく。




里山の尾根道。




尾根から石造りの野外ステージを見下ろす。




たどり着いた展望台は公園の外周を取り巻く尾根上に造られた築山で、四季の森公園唯一といってよい展望スポット。天候に恵まれれば素晴らしい眺望を得られる。
北東の遥か彼方、ズームでグイッと引き寄せる。赤坂の東京ミッドタウンから六本木ヒルズといった超高層ビル、そしてツーショットで並び立つ東京スカイツリーと東京タワー(平成24・2012年8月下旬撮影)。

なお、反対側の富士山は森の木々の上にちょこっとだけ見える。






平成27年(2015)1月上旬の週末、午前10時前。
木々が少しずつ成長し、徐々にスカイツリー方面に被るようになっている。送電線鉄塔に重なる、東京タワー。




展望台の、東側に向かっていちばん右側のベンチ・柱の辺りからがスカイツリーを見る最適ポジション。ベンチには土足で上がらないで、気持ちのいい利用を。




同時刻、西の空には富士山。大山北尾根の稜線上に頭を見せる。
木々が葉を落としている冬場は、この地(緑区寺山町)から富士山を眺める最適の時期。横浜の北部からは、富士山は大山・丹沢の稜線上にちょこっと姿を見せる。

なお、日本第二位の高峰・南アルプスの北岳(きただけ。3193m)は、この地からだと丹沢主脈北端の焼山(やけやま)と大菩薩連嶺南端の滝子山(たきごやま)のあいだに見えることになる。
しかし、そちらは現在木々に遮られてしまい見晴らしが利かない。そもそも北岳ほどの遠景になると、横浜あたりからは年に数えるほどしか見ることができない。




展望台からは、南口そばのブリッジ(もりの連絡橋)で別の谷戸(清水の谷・ふるさとの森)上流につながる。




こちらの谷戸も深い傾斜地。

この谷戸もまた数多くの大木がいのちを育んでいる。




すっきりした樹形の、ケヤキ。









シラカシ。









谷戸の奥は、ふるさとの森。




谷戸には教育水田などが整備されている。




実りの秋も間近な、谷戸田。




北口の池へは、トンネル(地下連絡通路)を通って。




北口広場そばの、池のほとりのデッキ。この公園のいちばん大きな谷戸の奥に向かって伸びてゆく。


もしも当初の宅地開発計画が県ではなく大手ディベロッパーの手による計画であったなら、ここは今ごろ整然とした街並みが広がる住宅街だったのだろう。
この地が、その当時盛んであった新線建設と沿線宅地の開発需要に沸いていた大手私鉄沿線ではなかったからこそ、この森一帯は大手資本ではなく県の所有地となったのではなかろうか。さらに同じ県有地であっても、計画通りに事が運んだところと比べるとちょっとしたタイミングの差で、この森は生き残ったのだろう。
逆にもしも民有地のままだったなら、結局は後々に大手資本の手に渡って大規模開発がなされたかもしれないし、あるいはそうならずに市民の森として活用されていたかもしれない。こればかりは後から何とでも言えることであり、この地がこうなるべくしてこうなった、としか言いようがない。




北口広場には、ビジターセンターが設けられ、森の情報を入手できる。




北口からJR横浜線・市営地下鉄グリーンライン中山駅までは、四季の森プロムナードが整備されている。




プロムナードは、傍らを水路が流れる区間もある。かつて四季の森が寺山の谷戸の奥深くの森であった頃から流れていた小川の、名残りとでもいうべき水路。




プロムナードの入口。




プロムナード入口は、中山駅南口入口の信号から台村町(だいむらちょう)寄りに少し行ったところ。


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