まちへ、森へ。

三溪園の四季

三溪園〜初秋

 

年ごとにその時期が前後する中秋の名月(旧暦八月十五日)。秋のお彼岸の入りとほぼ重なったその年もまた、恒例の観月会(かんげつかい)が催された。

 

十五夜のお月さんから二日後の夕暮れ、雅楽の演奏会にあわせて夜の三溪園を訪れる。雅楽といえば正月の神社でよく耳にする「平調(ひょうじょう)越天楽(えてんらく)」くらいしか馴染みがないがせっかくの機会、雅楽鑑賞と洒落込む。

 

 

いつもは閉門の時間帯、夕暮れを迎えてなお賑やかな正門前。

 

 

 

西日に照らされる大池の向こうに、鶴翔閣(旧原邸)。

 

 

 

いつもの光景が夕暮れに包まれてゆく。

 

 

 

大池のほとりを内苑に向かう人々。

 

 

 

観月会の期間中は古建築のライトアップも行われ、外苑も賑わっている。

 

 

 

観心橋。

 

 

 

 

 

 

 

提灯の掲げられた御門から、内苑へ。

 

 

 

 

 

 

 

内苑の中心、臨春閣の前庭が演奏会鑑賞の会場。

 

竹の縁台が少しばかり並べられていたが、基本的には芝生に座っての鑑賞。六時半の開演までまだ小一時間はあるが、早くも観客が会場を埋め始めている。

 

 

 

臨春閣第二屋、手前の琴棋書画(きんきしょが)の間と浪華の間、奥の住之江の間がひとつながりとなって今宵の舞台となる。

 

 

 

池に架かる亭しゃ(木へんに射)の欄干も改修が済んだばかり。

 

 

 

準備が進んでいく、薄暮(はくぼ)のひととき。

 

 

 

やがて夕方六時を回り、辺りが蒼い闇に包まれ始める。

 

 

 

間もなく開演、演奏者が続々と舞台に揃い始めた。

 

奏者は、横浜雅楽会(よこはまががくかい)の会員の方々。

 

 

 

一曲目は管絃(かんげん)「平調(ひょうじょう) 音取(ねとり) 皇じょう(鹿に章)急(おうじょうのきゅう)」。
音取とは、音合わせの一種のような短い楽曲。

 

 

 

 

 

 

 

楽器の配置換えが行われ、二曲目は国風歌舞(こくふうかぶ)「東遊(あずまあそび)」(一部抜粋)。

 

 

 

再び配置換え。三曲目は管絃「平調 音取 萬歳楽(まんざいらく)」。

 

この後15分間の休憩を挟んで、後半へ。

 

 

 

後半初めは、舞楽(ぶがく)「白濱(ほうひん)」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて、舞楽「納曽利(なそり)」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後八時半、終演。
内苑を後にし、外苑へ。

 

 

 

闇に浮かび上がる、三重塔。

 

 

 

観心橋もうっすらと浮かび上がる。

 

 

 

足元の明かりに導かれ、大池のほとりを正門へ。
十五夜から二日後、ほぼ満月のお月さん。

 

 

 

鶴翔閣(旧原邸)。

 

 

 

闇に浮かび上がる、和船。

 

 

 

長い一日の終わり。

 

 

三溪園〜秋へ

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