まちへ、森へ。

芦ノ湖東岸、九頭龍神社本宮から恩賜箱根公園へ

令和四年(2022)五月上旬、大型連休終盤の箱根・芦ノ湖東岸を歩く。

今回の箱根歩きでは往復に伊豆箱根バス(西武系列)を利用するためバスの割引乗車券「箱根1DAYバスフリー」を現地購入する。
小田原駅東口を朝9時に出発の便だったのだが、駅前案内所の窓口はまだ開いていない時間帯。とはいえ祝日のこの日、小涌園・湖尻・箱根園行のバスが発着する5番乗り場ではカバンを掛けた係員さんがチケット販売を行っていた。

 

1.湖尻から九頭龍神社本宮

 

 

芦ノ湖北岸、湖尻ターミナル(西武系列)。こちらの観光船(双胴船)乗り場は新型コロナ禍の影響で休業が続いている。
時刻は午前10時10分。今回は早朝ではなかったため小田原駅から箱根湯本駅まで若干の渋滞があったのだが、湖尻到着はダイヤより10分遅れの程度で済んだ。

 

 

 

湖尻ターミナルのすぐ脇が九頭龍(くずりゅう)神社への遊歩道。

 

 

 

「神山通り」の標柱。ここは箱根連山の最高峰・神山(かみやま。1438m)の山裾にあたる。

 

 

 

「箱根九頭龍の森セラピーロード」の案内板。こちらは湖尻側起点。標高にして750m前後の等高線沿いに遊歩道が通っている。

 

 

 

遊歩道からの芦ノ湖。

 

 

 

大型連休のシーズンとはいえ湖尻から九頭龍神社までの遊歩道は時折すれ違う人たちがあるくらいで、静かな森歩き。

 

 

 

頭上を新緑が覆う。

 

 

 

ブナの大木。あるいはイヌブナだろうか。

 

 

 

杉の植林を抜けていく。

 

 

 

木葉良橋をくぐると、九頭竜神社入口はもうすぐ。

 

 

 

「九頭龍の森(旧樹木園)」に到着。ここまで湖尻ターミナルから歩いて30分ほど。

 

 

 

九頭龍の森は入園料600円(小学生以下は半額。2022年5月現在)。九頭龍神社への参拝のみでも入園料がかかる。開園は午後5時まで。

 

 

 

園内マップ。

 

 

 

ガーデンチェア、テーブルの置かれた広場。

 

 

 

芦ノ湖を望む。

 

 

 

園内植生図。
九頭龍の森には本州の約7割の種類の植物が自生する、とある。マップに描かれているのは現在は営業していないロッジ・コテージ。

旧樹木園は元々はゴルフ場の用地だったという。ところが次々と木々が伐採される光景を嘆いた植物遺伝子学の権威・木原均氏の声を聞いた国土計画(後にコクドを経てプリンスホテルに吸収)社長・堤義明氏の決断によりこの場所でのゴルフ場計画は中止。伐採されたエリアが「ピクニックガーデン」として、湖岸エリアは木原博士の指揮のもと「樹木園」として保存・整備され、1971(昭和46)年6月にオープンした。樹木園はかつては研究施設としての機能も有していたそうだ。
参考「丹沢箱根日帰りハイキング」水尾一郎著

 

 

桟橋のたもとに広がる砂浜。

 

 

 

 

 

 

 

湖畔沿いを進む。

 

 

 

九頭龍神社の湖上の鳥居。

 

 

 

九頭龍神社本宮(ほんぐう)に到着。

 

 

 

拝殿。

 

 

 

 

 

 

 

由緒案内によれば祭神は芦ノ湖の守護神「九頭龍大神(くずりゅう おおかみ)」。芦ノ湖は箱根権現の山岳信仰の時代から「箱根権現御手洗(みたらし)の池」と称された。
現在では九頭龍神社といえば「良縁を結ぶ神」として女子の皆さんの絶大な支持を集めていることで知られる。

 

 

 

弁財天社へ。

 

 

 

九頭龍神社本宮の手水がこちらにある。ボート桟橋から上陸して参拝することを想定してのものだろう。

 

 

 

弁財天の祠。

 

 

 

案内板によれば、この弁財天は奈良時代に堂ヶ島(かつては塔ヶ島と呼ばれた、箱根離宮の建っていたあたり)に降臨した天女と弁財天を習合して祀ったのが起こり。現在地に遷座したのは戦後の昭和39年(1964)。
平成庚辰(かのえ たつ)の年(12年)に箱根神社境内に龍神の分霊を祀る社殿(新宮)が建立されたのを機に弁財天社も修復された、とある。

 

 

 

ボート桟橋の鳥居。

 

 

 

湖上の鳥居。

 

 

 

なんともフォトジェニックな、写真映えする立ち姿。

 

 

 

湖畔の遊歩道を入口へと戻る。

 

 

 

 

 

 

 

九頭龍の森から「山のホテル」つつじ園へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

箱根園の桟橋が見える。

 

 

 

「九頭龍の森セラピーロード」の元箱根側起点。

 

 

 

箱根園を通り抜けていく。

 

 

 

駒ヶ岳ロープウェイ・箱根園駅。

 

 

 

 

 

 

 

かつては箱根プリンスホテル別館、現在では日帰り温泉となっている龍宮殿本館。

 

 

 

龍宮殿本館の建物は昭和13年(1938)に飛島組(現飛島建設)の社長により創業された浜名湖ホテルがその前身。僅か一年半後に休業したホテルの建物を戦後にプリンスホテルが買い取り、現在地に移築された。

 

 

 

その壮麗な造りは宇治・平等院を模したもの。

 

 

 

交通量のある車道歩きが続く。

 

 

 

小田急「山のホテル」つつじ園の臨時駐車場入口に到着。ここまで九頭竜の森から歩いて40分足らず。

 

 

2.小田急「山のホテル」つつじ園へ

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