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富士山から見るご来光と丹沢


平成20年(2008)夏山シーズンのお盆休み、山頂のご来光と大展望を目当てに富士山へ。
体を高所に慣らすためにも八合目で一泊する計画を立てる。




朝7時45分、JR御殿場(ごてんば)線御殿場駅。
横浜市内から相鉄(そうてつ)線の始発、海老名(えびな)で小田急線、新松田・松田でJR御殿場線と乗り継いでここまで来た。御殿場線は本数が少ないので、余裕をもって到着。
須走口(すばしりぐち)新五合目へ、ここから路線バスで約1時間。




朝9時40分、須走口五合目バスターミナル。ここは標高1970m、須走口新五合目登山口の玄関口。ここから標高差1800mの山登りが始まる。
初日は八合目江戸屋(3270m)まで1300mを登る。

ハイシーズンにはここから小田急線新松田駅までのバスも出ている。




須走口の魅力は歩き始めの樹林帯。山歩きらしくていい。




砂礫地には富士山でみられる数少ない花のひとつ、オンタデが。




午前10時ごろ。




ヤマホタルブクロ。




岳樺(ダケカンバ)。




正午ごろ、六合目あたり。ほとんど背の低い草木ばかりになってきた。

向こうには砂走り下山路が見える。帰りはストックを手に、足首は靴に砂が侵入しないようスパッツでしっかり覆ってあそこをかっ飛ばす。









六合目、瀬戸館(せとかん)。2627m。









雲海というより、雲そのもの。




山中湖(標高約980m)が見える。




河口湖(標高約830m)も。




午後2時ごろ、本七合目、見晴館(みはらしかん。3190m)。北アルプス最高峰奥穂高岳(おくほだかだけ。3190m)、南アルプス最高峰白根山北岳(きただけ。3193m)に並んだ。ここからは富士山ならではの世界。




午後4時50分ごろ。八合目(3270m)から下、本七合目(見晴館。3190m)、七合目(大陽館・たいようかん。2920m)が眼下に。




はるか下には須走口新五合目(1970m)が。改めて富士山の裾野の雄大さを実感する。




午後5時ごろ、宿泊地の八合目(3270m)江戸屋。
気温は標高100mごとに0.6度下がるので、この地点で下界より気温が20度ほど低い。さらに風が吹けば風速1mごとに体感温度は1度ずつ低くなる。立ち止まっているとき体を冷やさないためにも中厚地のフリースがあると重宝する。




河口湖の向こうは御坂(みさか)山地、右に三ツ峠山(みつとうげやま。1785m)。




西丹沢・大室山(おおむろやま。1588m)が画面左に見える。




雲が切れて右側に西丹沢の雄峰・檜洞丸(ひのきぼらまる。1601m)が見えてきた。




彩雲(さいうん)。天から見下ろす彩雲、富士山ならでは。




上に本八合目(3360m)。この上から登山道は河口湖口・吉田口五合目からの吉田口登山道と合流する。




丹沢は再び雲海の下。大室山(1588m)が画面左に、画面右側には丹沢最高峰蛭ヶ岳(ひるがたけ。1673m)の山頂がかろうじて見える。



リバースアングル。夏の午後、丹沢・蛭ヶ岳山頂から雲海越しの富士山(撮影・2000年8月)。


丹沢山塊の全貌は明日の夜明け以降にとっておく。




翌日、午前4時20分ごろ。ようやく山頂。気温は下界より22、3度低い。真夏でも5度を切っている。

吉田・須走から登ってきたときの山頂は、久須志岳(くすしだけ・3725m)の肩。最高峰・剣ヶ峰(3776m)のちょうど反対側。ここには茶屋も集中している。

午前1時30分ごろから身支度して八合目を出発、標高差450mを、かれこれ2時間半。登山道は大渋滞。まさに亀の歩み。立ち止まっている時間も長いので、保温性・速乾性に優れたアンダーウェアが重宝する。

眼下には山梨県富士吉田市街の夜景に加えて、画面左下に後続のヘッドライトの明かりが筋となっている。




右手前に静岡県小山町(おやまちょう)須走地区と陸自富士学校の明かりが見える。




午前4時30分過ぎ、夜が明けてきた。左手前に鯨の形をした山中湖がくっきり見える。山中湖の奥に丹沢山塊が全貌を現してきた。

丹沢山塊の向こうには、神奈川・東京の大夜景が広がる。



富士山頂からの視線の先、丹沢・蛭ヶ岳山頂から関東平野の夜景(2000年8月)。  拡大版。 




雲湧く山中湖、右に須走・陸自富士学校の明かり。雲海・箱根山をはさんだ右奥は神奈川県足柄(あしがら)平野。さらに大磯丘陵を挟んで相模平野の明かり。




山中湖の上の大きめな三角は西丹沢の大室山(おおむろやま。1588m)。稜線を右にたどって中央の小さく見える三角が丹沢山塊の主峰・蛭ヶ岳(ひるがたけ。1673m)。さらに稜線をたどって右のなだらかな三角は東丹沢・大山(おおやま。1252m)。大山は標高はそれほどではないが丹沢山塊からやや独立しているためどの方向から見ても三角がきれいに見える。

大室山から山中湖にかけては甲相(こうそう)国境尾根、さらには三国(みくに)山稜まで、稜線が重なりつつ延びてきている。

ここからは、東西40q・南北20qの丹沢山塊がすっぽりと手の中に入るように見える。




夜明けの頃、丹沢・塔ノ岳(1491m)山頂から見る神奈川・東京の大夜景(2001年2月)。 拡大版。 




リバースアングル。丹沢・蛭ヶ岳山頂から眺める夜明けの富士山・西丹沢(2000年8月)。  拡大版。 

夏の丹沢では、画面の右側・大室山(1588m)と檜洞丸(ひのきぼらまる。1601m)をつなぐ稜線の大鞍部である犬越路(いぬごえじ。1060m)に夜明けの頃、見事な雲海の滝が掛かることがある。



蛭ヶ岳山頂から見る、犬越路・雲海の滝(撮影・2000年8月)。ナイアガラを思わせる豪快な滝雲。

夏山シーズンは北アルプス・南アルプスを目指す人が多く、稜線に上がるまでの猛暑がしんどい夏の丹沢は静かな山。二泊の計画でできれば西丹沢・奥箒沢(おくほうきさわ)あたりに前日泊まっておいて、夜明けの頃から登りたい。この時も山荘は貸し切り状態。小屋番のオヤジさんと一緒に雲海を眺めながら「今日は見事だ。運がいいね」と言われたのが印象的だった。




甲相国境尾根・鉄砲木の頭(てっぽうぎのあたま)から富士山・山中湖(2000年9月)。

左の尾根が山梨と静岡の県境・三国山稜(みくにさんりょう)。三国山(みくにやま)は山梨・静岡・神奈川の県境。河口湖は山中湖右側の山々の向こう側。



三国山稜・アザミ平(あざみだいら)より夏富士(2000年9月)。
須走口新五合目はほぼ真正面。手前の山の稜線に隠れている。左の稜線・宝永山の下あたりが最短ルートの富士宮口新五合目。右に河口湖口・吉田口五合目。一口に五合目といっても、そのすそ野は広い。




モザイク処理の手間が省けた、と負け惜しみ。




午前4時45分過ぎ。一気に明るくなってきた。山ひだは一層くっきりし、一幅の墨絵のような美しさ。




午前4時50分。いよいよだ。




午前4時55分。見えた。









神々しいご来光。天候に恵まれ、本当に運がいい。














左に丹沢山塊の最高峰蛭ヶ岳(ひるがたけ。1673m)、稜線を右へたどり鬼ヶ岩ノ頭(おにがいわのあたま。1609m)から小さい三角の不動ノ峰(ふどうのみね。1614m)、まるくなだらかな丹沢山(たんざわさん。1567m)。
その稜線のちょうど上を、朝日が昇っていく。









相模湾、三浦半島に目を向けると、一筋に光る相模川と江の島が見える。




午前5時すぎ、お鉢めぐりへ。火口(大内院)の向こうに、お鉢のこちら側の稜線が影を落とす。朝日に赤く染まる岩壁、美しい朝焼けだ。

赤く染まる岩稜の左が目指す最高峰・剣ヶ峰(3776m)。

次に登る機会があれば、あらかじめお鉢の向こうに回っておいて、裾野に影を落とす雄大な影富士を見たい。




富士山お鉢めぐりの最高峰、剣ヶ峰(3776m)。レーダードームのなくなった測候所跡。




午前6時30分ごろ、剣ヶ峰山頂(3776m)。

このあと高山病の症状か、ひどい頭痛が襲ってきてふらふらになってしまった。次からは携帯酸素ボンベが必要なようだ。そういえば昨晩も八合目江戸屋でつらそうにボンベを吸引している子がいた。備えあれば憂いなし。




ふらふらしながらお鉢をたどって須走口へ下る下山口へ。

正面のどっしりしたピークは、お鉢第二の高峰・白山岳(はくさんだけ・3756m)。そこが富士山を東から見たときに見える最高点。その右のなだらかな稜線のピークが久須志岳(3725m)。右手に茶屋が集中している。とりあえずそこまで戻る。

ようやくたどり着いた久須志岳手前の茶屋で一休みし、下山を始めるとあっという間に頭痛が取れて元気が戻る。




午前8時40分ごろ。下山道には八合目江戸屋までブルドーザー道を利用する。荷上げのブルがここまで登ってくるのも、考えてみればすごい。リッターでどのくらい走るのだろう。


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