夏の暑さもすっかり止み、まち歩き日和となった令和二年(2020)秋のお彼岸。「関東ふれあいの道 三浦・岩礁のみち」を歩く。
4.毘沙門湾から宮川湾へ
神奈川県三浦半島「岩礁のみち」歩き。毘沙門湾から広々とした海食台を通り過ぎて、断崖に切れ込んだ谷の「盗人狩」へ。さらに観音岩から巨大な海蝕洞窟、千畳敷と過ぎていく。宮川湾にはヨットのマリーナ。見上げれば宮川公園の風力発電風車が二基建っている。
毘沙門漁港のゲート脇を抜けて「盗人狩(ぬすっとがり)」へ。
道標に従って岩礁へ。奥に見える白黒地層の傾きっぷりが凄まじい。
スコリア(砂礫)質の煤けたような真っ黒い岩に、すっかり緑色になった水溜まり。ここまでは波も来ないのだろう。その奥に至っては草の生い茂る湿地となっている。
あちこちに口を開けている海食洞。
地層が激しく褶曲している。
広がる海食台。
この辺りも浸食された白黒の互層が巨大な洗濯板のよう。
この日は台風が接近しつつある曇天の一日だったが、そこまで海は荒れていなかった。
観音岩が奥に見える。
「盗人狩(ぬすっとがり)」に到着。
「かながわの景勝50選」に選定されている、深く切れ込んだ谷。
横向きであるべきはずの地層が、斜めに立ち上がっている。
案内板。
崖上に追い詰められた盗賊が足がすくんで動けなくなったところをたやすく捕まえることができた、ということからこの名が付いたという。その名前からして、火曜サスペンスさながら。
白い層と黒い層が複雑に入り組んだ断崖。
しかし一体何なんだ、このグチャグチャな地層は?
観音岩。
その姿は、見る角度によっては天空に突き上げる槍の穂先の如きにも見える。
この辺りは起伏も大きく、かなり歩きにくい。大股でぴょんぴょんと飛び移るように歩かなければならないところも多く、登山道の岩場とはまた違った足の運びとなる。
大きな海食洞。
洞窟に近づいていくと、コンクリートの遊歩道が整備されている。
人の大きさと比べると、穴はかなり大きい。
小さな洞門。
観音岩。この辺りからの眺めが最も観音立像らしい姿といえようか。
千畳敷からの眺め。
だだっ広い千畳敷の向こうには、観音山。関東大震災(大正12・1923)で地盤が隆起する前は小島だったのだろう。
観音山の脇を越えていくと、宮川湾。
宮川湾に到着。
崖上の二基の風力発電風車(宮川公園内)は設置以来二十年余りを経て老朽化により平成31年(2019)3月にいったん撤去された。しかし、市民の惜しむ声を受けて令和2年(2020)4月に新たな風車が設置された。
宮川湾には多数のヨットが係留されている。「みうら宮川フィッシャリーナ」と名付けられたこのマリーナはみうら漁協による運営。
ここにも小さな砂浜。
「岩礁のみち」歩きを終えて宮川町バス停へ。
フィッシャリーナ管理事務所のあたりにはトイレもある。
宮川漁港の脇を抜けて、県道の橋の高さまで登っていく。
登りきるとバス停はすぐ。
宮川町バス停に到着。
京急バス「海35」系統・三浦海岸駅〜三崎東岡(みさきひがしおか)は一時間に一本の路線だが、三浦海岸駅ゆきの時間が合わない場合は反対車線の三崎東岡ゆきも利用できる。
三崎東岡は三浦市役所すぐそばのバスターミナル。そこで乗り換えると三崎口駅ゆきが多数出ている。バス乗り降り自由の「三浦半島1DAYきっぷ」を利用しているならそちらの利用価値も高い。
バス停からは宮川公園の風車がよく見える。
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