まちへ、森へ。

箱根湿生花園から金時山、足柄城址へ

4.足柄城址から足柄古道をJR足柄駅へ

 

3.足柄関所跡・足柄城址はこちら。

 

 

足柄城址(あしがらじょうし)・五の郭側の遊歩道入口から県道を足柄駅方面に下った先、駿河(静岡)側「足柄古道」の入口。

 

時刻は15時45分ごろ。日の長くなった三月末、日没までにはかなり間がある。

 

 

 

 

 

 

 

赤土の山道。この古道は「赤坂古道」と呼ばれる。

 

 

 

古道はすぐに車道に戻る。

 

 

 

目を横にやるとガードレールの切れ目に古道の続き。

 

 

 

石畳が整備された、足柄古道の入口。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び車道に合流。出口の側も石畳が整備されている。

 

 

 

「足柄駅45分」の道標。

 

時刻は16時過ぎ。ここまでの下りは時間にしてわずか15分、とはいえ古道の雰囲気を感じることはできた。

 

 

 

車道を下りていく。

 

 

 

5分も下ったところで見えてきた赤い欄干は、伊勢宇橋。右手は未舗装の林道で地蔵堂川(鮎沢川・酒匂川支流)の沢筋に沿って道が付けられている。

 

古道歩きという点でいえば、車道が開かれた尾根筋がおそらく往時の足柄古道の道筋なのだろう。が、ここは橋の手前から未舗装の林道に入っていって歩くことにする。

 

 

 

林道入口に立てられた朽ちた道標。「竹之下合戦史跡 戦ヶ入(せんがいり)」と記されている。行政(駿東郡小山町)の「おやま町散策マップ」ではこの林道は「戦返り(せんがえり)線」と紹介されている。

 

竹之下合戦は太平記(鎌倉末期〜南北朝期)の時代、足利尊氏と後醍醐天皇方の軍勢が足柄路で繰り広げた戦い。

 

 

 

この林道はほぼ全線を通して渓流の水辺を間近に感じられるのが魅力の山道。

 

 

 

三月末は芽吹きの季節。

 

 

 

地蔵堂川(鮎沢川・酒匂川支流)を見下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

渓流が近くなってきた。

 

 

 

早春の花、八重咲きのキバナスイセン。

 

 

 

どこからともなく溢れた水が道をえぐって小さな流れを作る。

 

 

 

ずっと渓流沿いのこの林道は、流れる水音が耳に心地いい。

 

 

 

平成26〜28年度(2014〜16)にかけて施工された、新しい砂防堰堤。

 

 

 

 

 

 

 

この辺りの大字(おおあざ)は「竹之下」、字(あざ)を「古滝」というようだ。

 

 

 

林道脇に滝が見える。

 

 

 

この滝が字の由来となった古滝か。

 

 

 

多くの山仕事の方々に利用されているであろう、しっかりした造りの水場(みずば)。

 

 

 

緑の濃い季節の早朝に足柄峠への登りに使ったら、爽やかな山歩きを楽しめそうな道。

 

 

 

 

 

 

 

渓流が岩を舐めるような流れになった。

 

 

 

銚子ヶ渕に到着。

 

 

 

祝言(しゅうげん)の場での失態を恥じて渕に身投げした娘の祟りを村人たちが恐れ供養した、という民話が紹介されている。

 

 

 

 

 

 

 

急流の続くなか、ここだけが深い青緑色。

 

 

 

銚子が渕から更に下っていくと、再び水場。この山道は夏場でも水の補給に事欠くことなく歩けそうだ。

 

 

 

「頼光対面の滝」分岐に到着。

 

 

 

案内板。
頼光とは平安中期の武将である源頼光(みなもとのよりみつ。らいこう)。祖父は源氏の祖(清和天皇の孫)である源経基、父は多田満仲。
なお多田満仲については芦之湯近くの元箱根石仏石塔群に「俗称多田満仲の墓」と呼ばれる巨大な宝篋印塔(ほうきょういんとう)がある。

 

ここには足柄山の金太郎(坂田公時。さかたきんとき)が初めて頼光と出会った地、という伝承がある。坂田公時は後に頼光に仕えた四天王の一人となる。

 

 

 

「南無妙法蓮華経」の御題目とともに「不動之滝」と刻まれた碑。

 

 

 

頼光対面の滝は林道からほんの少しばかり入っていった先。

 

 

 

滝に到着。

 

 

 

結構落差のある、立派な滝。

 

 

 

林道に戻り、欄干のない橋を渡る。

 

 

 

「嶽之下宮 奥宮」に到着。境内の滝を観に行く。

 

 

 

境内に咲き誇る、シダレザクラ。「縁結びの橋」を渡って奥へ。

 

 

 

境内奥の渓流に掛かる滝。

 

 

 

こちらは滝口にしめ縄を渡された、信仰の滝。「縁結びの滝」と呼ばれている。

 

 

 

夕方5時を回り、日が傾いてきた。電車の時刻に遅れないよう、急ぐ。

 

 

 

苔むした欄干の橋を渡れば、集落は近い。

 

 

 

西日の中、大きな富士山のシルエットがぼんやりと浮かぶ。

 

 

 

 

 

 

 

金時山直下からここまで何度も出会った、道標の金太郎人形。

 

 

 

 

 

 

 

冬の朝にここを歩けば、立派な富士を拝めそうだ。

 

 

 

JR御殿場線・足柄駅に到着。足柄駅は無人駅なので改札は乗車後に車掌さんにしてもらう。
※2019年(平成31年)春には足柄駅〜下曽我駅(小田原市)の区間にICカード(Suica、PASMOやTOICAなど)の読み取り機が設置された。

 

 

 

駅前には、鉞(まさかり)担いで熊に乗った金太郎の像。

 

 

 

足柄駅(静岡県小山町)から松田駅(神奈川県松田町)までは25分ほど。小田急・新松田駅へのアクセスに関しては、足柄峠から神奈川県側の地蔵堂バス停(南足柄市)へ下山するよりも静岡県側のこちらに下りる方がむしろ良い。

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