まちへ、森へ。

ハイシーズンの大山

大山の初詣・初日の出

 

平成28年(2016)元日。大山寺、大山阿夫利神社へ初詣。山頂にて初日の出を拝む。

 

 

大晦日・元日は終夜運行となる路線バスで小田急「伊勢原駅北口」からおよそ30分、終点「大山ケーブル駅」バス停へ。標高310m、時刻は深夜一時ごろ。
大山小学校に設けられた臨時駐車場からのシャトルバスも動いている。

 

バスロータリーから、ひっそりとした深夜の「こま参道」の石段へ。こま参道を登って行った先に山麓側の「大山ケーブル駅」がある。ケーブルカーも年末年始は終夜運行だが、登りにはケーブルカーを利用せずに女坂を歩いて登り、途中の大山寺に参拝していく。

 

 

 

こま参道の先、麓側の「大山ケーブル駅」から上は登山道。とはいえ下社までは明かりが灯されている。

 

形の不揃いな古い石段を登っていく。こうした石段は降りより登りのほうが歩き易い。

 

 

 

本堂前の石段下に出た。中間駅の「大山寺駅」からだと石段に向かって右の道からここに出る。

 

 

 

初詣客を迎える、大山寺(おおやまでら)の本堂。深夜1時45分ごろ。

 

 

 

石段の上から、麓の夜景。

 

 

 

除夜の鐘を撞くこともできる、大山寺。

 

 

 

本堂に向かって右手、ケーブル「大山寺駅」への道を見下ろしつつ進み、阿夫利神社下社へ。

 

 

 

石段を登っていく。

 

 

 

大山阿夫利神社(おおやま あふりじんじゃ)下社(しもしゃ)。ケーブルカー山頂側の「阿夫利神社駅」は石段に向かって左の奥。

 

 

 

年始の参拝客を迎える鳥居。

 

 

 

標高およそ700m。石段上から眼下に広がる夜景。街の明かりが、とてもきれい。

 

 

 

日付が変わって数時間経ち、初詣客の人波も一段落した境内。

 

 

 

深夜2時50分ごろ、下社境内を後にして山頂へ。

 

山頂への登山道のうち初日の出を拝む登山者の多くに歩かれているルートは社殿の背後、左奥の古い石段の道(表参道・本坂)。今回はそちらではなく、社殿に向かって左手、蓑毛(みのげ。裏参道登山口)分岐へと通じる登山道(かごや道)を登っていく。

「かごや道」は歩く人が非常に少なく、静かな夜間登山を満喫できる。ただ、真っ暗闇の登山道なのでヘッドライトを装着していても道に迷う危険がある。暗がりの中、どん詰まりの枯れた沢に突っ込んでしまうかもしれないので、つづら折りの登山道に慣れていない人にはお勧めできない。
ヘッドライトのバッテリーが弱っていると道を確認しづらいので新品に代えておくか予備のバッテリーを忘れないようにしておきたい。

 

8年ぶりの「初日の出」登山。日頃の鍛え方が足りないのだから脚力の衰えは隠しようがない。「ハァハァ」と息を荒らげてしまうのが情けないが、無理をせずゆっくりと、闇夜の登山道を休み休み登っていく。

 

 

 

月明かりのもと、満天の星空を時おり眺めながら登っていくと、やがて16丁目に到着。

 

ここまではほとんど人に会わなかったが、ここで社殿背後の石段(本坂)から登ってきた大勢の人たちが次々と合流してくる。その道中の陽気なこと!大〜山坂、え〜っえぇ坂、十六丁目の、えっと、ムニャムニャ。これでは「大山詣り」ではなくて「愛宕山」だ。

 

 

 

16丁目からの夜景。深夜4時過ぎ。

 

16丁目から山頂までは、軽装の若い人たちがカモシカのように軽い足取りで飛ぶように登っていく。自分の重い足取りが恨めしいが、もうあの日に戻れるはずもなし、そもそもレベルが違い過ぎて張り合う次元にない。こちらは相変わらずのんびりと登っていく。

 

16丁目からは一時間足らずで山頂へ到着。

 

 

 

大山山頂(1252m)からの夜景は、広がりが大きい。午前5時を回っているが、まだまだ闇夜。既に山頂は多くの人々でごった返している。

 

 

 

明け方6時15分ごろ。東の空が赤く染まりだす。気温は氷点下2度。大山の山頂は下界よりは7℃くらい低い。

8年前(平成20年)の初日の出登山では氷点下6度だった。霜柱も十数pの巨大なものがびっしりと覆っていた。それと比べると平成28年の正月は、例年になく暖かい。それでも長時間山頂にじっと留まっているため、汗をかいた体は冷える。保温性下着や中厚地のフリース、ライトダウンパーカーや温かい飲み物など防寒対策は万全に。つま先や頭部(耳)などは特に冷えるので対策を怠らないようにしたい。

 

 

 

山頂に鎮座する阿夫利神社奥の院。初日の出を今や遅しと待つ人たち。

 

 

 

相模湾に江の島がくっきりと見える。

 

 

 

午前6時50分ごろ。「わーっ」と湧き上がる、歓声。

 

 

 

平成28年(2016)の、初日の出。

 

 

 

こちらは平成20年(2008)。

 

初日の出を拝んだら、山頂すぐ下のトイレ付近から西側へ回り込んでいく。

 

 

 

再び「わーっ」と歓声。元日の大山は、ひと登りで二度おいしい。天候も良く、素晴らしい正月を迎えられた。

 

平成27年(2015)の師走は暖冬だったため、富士山の冠雪は例年よりかなり少ない。

 

 

 

こちらは平成20年(2008)元日。例年であれば、この時期の富士山はこのくらい白い。

 

 

 

すぐ右手には、丹沢の山並みに大山が影を落とす。見事な影大山。

 

稜線は表丹沢の盟主・塔ノ岳(とうのだけ。1491m)から丹沢山(たんざわさん。1567m)へと続く、丹沢主脈。丹沢最高峰の蛭ヶ岳(ひるがたけ。1673m)は丹沢山の奥の不動ノ峰(ふどうのみね。1614m)に隠れてしまい、大山からは見えない。

 

 

 

富士山の右側には南アルプスが少しだけ見える。白く小さく見えるのは聖岳(ひじりだけ。3013m)。その右にもう少し大きく見える白い峰は赤石岳(あかいしだけ。3121m)。

 

 

 

午前7時20分ごろ、すっかり明るくなった山頂。

 

 

 

下りは山頂から見晴台方面へ。こちらの登山道は木段が整備されているところもある。部分的には岩尾根の登山道もあるが、表参道の古い石段よりはいくらか歩きやすい。

 

 

 

初春の陽光を浴びて黄金色に輝く相模湾。

 

 

 

 

 

 

 

途中、西側には大展望が広がる。

 

眼下には表丹沢山麓の秦野盆地。渋沢丘陵・曽我丘陵を隔てて足柄平野に広がる小田原の街。
小田原の奥には右手の二子山をはじめとした箱根の山々。二日、三日には駅伝のランナーたちがあの山を駆けてゆく。
箱根の海側には真鶴(まなづる)半島が細く伸びている。そして最奥は伊豆の山々。

 

 

 

見晴台。振り返れば、大山の山頂。北側の電波塔がちょろっと見える。

 

 

見晴台で休憩し、下社方面へ。

 

 

 

見晴台から下社への道は、落石多発地帯。注意を促す看板も多数立てられている。大山にはシカも多いため、見通しが利かない夜間のこの道は人間ではなく頭上のシカが引き起こすかもしれない落石が少し怖い。

 

滑落危険個所には立派な桟道も設けられ、通行止めも解除されたばかり(神奈川県・公園歩道(林道)情報)。以前よりも安心して歩けるようになった。

 

 

 

祠とアーチ橋が見えてきた。

 

 

 

アーチ橋から眺める、二重の滝。

 

 

 

午前9時すぎ、下社に到着。

 

 

 

茅の輪(ちのわ)くぐり。

 

 

 

境内では初詣の参拝客に搗きたてほやほやの餅も振る舞われる。

 

 

 

風もなく、おだやかな元旦。

 

 

 

下社から先、下山はケーブルカーで。

 

 

 

前年の秋に新しくなったばかりの、ケーブルカー。古くて新しい大山のあちらこちらで、観光客の受け入れ態勢の整備が着々と進む。

 

 

大山の紅葉ライトアップ

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