平成25年(2013)の紅葉の季節、金沢文庫の称名寺(しょうみょうじ)庭園を夕刻に訪れる。
金沢文庫・称名寺〜晩秋
鎌倉時代後期の浄土式庭園が復元整備された金沢文庫・称名寺。紅葉の色づく季節、庭園散策は格別なひとときに。
日の短い季節における北鎌倉天園(てんえん)ハイキングコース歩きの後でも、天園から市境広場(しざかいひろば)を経由し、金沢自然公園方面へ進んで西金沢中学への分岐から釜利谷西(かまりやにし)の住宅街へ下り、バス通りから金沢文庫駅行京急バスを利用すると簡単にアクセスできる。
朱塗りの惣門(そうもん)から、境内へ。
参道をたどり、仁王門へ至る。
称名寺塔頭(たっちゅう)の、光明院(こうみょういん)表門(おもてもん)。
仁王門。称名寺は真言律宗であるが、軒の反り具合や火灯窓など、禅宗様の特徴が色濃い。
仁王像。阿形(あぎょう)。
吽形(うんぎょう)。
紅葉の盛りを迎えた称名寺庭園。
仁王門から池の中島に架かる反橋(そりばし)、平橋(ひらばし)が金堂まで一直線に並ぶ、典型的な浄土式庭園。
平成25年(2013)11月30日。この年は紅葉の最盛期がここ数年より1週間ほど早く、池畔のイチョウは盛りを過ぎていた。
オナガガモの群れ。青いくちばし・褐色の頭に白い首がオス、地味な色がメス。
金堂(こんどう)。
金堂もまた、枠を組んで薄い板を入れた桟唐戸(さんからど)や火灯窓(かとうまど)、びっしり並ぶ組物(くみもの)など、禅宗様の特徴が色濃い。
釈迦堂(しゃかどう)。
組物は、お堂よりは三重塔によく見られるような三手先(みてさき)に尾垂木(おだるき)がぬっと伸びた組物。
梢に、トンビ。「ピィーヒョロロロロ〜」とのどかに鳴く声は、横浜市域とはいえ三浦半島の海に近い金沢界隈ならでは。
庭園をぐるりと囲む境内の森は、称名寺市民の森となっている。
金沢文庫へ。
県立金沢文庫。
庭園と小山を隔てたこちらの谷戸は、文庫ヶ谷(ぶんこがやつ)と呼ばれる。谷(やつ)とは谷戸の鎌倉地域での呼び方。
中世の隧道の遺構。
再び、庭園へ。
谷戸の奥に広がる草地。
日没間際、池泉が黄金に輝く美しいひととき。
「秋は夕暮れ」とはよく言ったもの。
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