令和三年(2021)2月。春節(旧正月)を迎えた横浜中華街へ。
横浜中華街・旧正月(春節)のランタン
例年であれば春節を迎えた中華街では賑やかなイベントが目白押しであるが、新型コロナ禍のこの年は見物客が一か所に滞留しがちな獅子舞パレードなどのイベントが中止。代替として、初めての試みとなる「ランタンオブジェパビリオン」が中華街の中にある山下町公園にて開催された(2月12日〜26日、16時〜20時点灯)。
2月下旬の日曜夕刻、ランタンの灯る中華街を歩く。
横浜スタジアム(横浜公園)の隣り、玄武門(げんぶもん。北門)から中華街へ。
「春節燈花」の横断幕。
春節の季節を彩る恒例のイルミネーション(ランタン)に、この年が初めてとなる大型ランタンが加わった。
北門通りのランタン。
善隣門(ぜんりんもん)。
善隣門から中華街大通り。
春節の週末ではあるが大通りですら適度な距離感が保たれ、人の流れが滞留することもない。飲食店の閉店時刻も20時と前倒しになっており、落ち着いた人出となっている。
黄金色の龍のランタン。
大通りから市場通りへ。
突き当りの関帝廟通りを左折すると、「ランタンオブジェパビリオン」の会場となる山下町公園。
会場に到着。大声で談笑する人もなく、時節柄みな節度を保ってランタンに見入っているのが印象的。
迫力の白龍「白龍馬」のランタン。これは公式サイトによると三蔵法師の旅の供をする白馬に姿を変える前の「玉龍」。
朱雀(あるいは鳳凰か)のランタン。
「三国志」の三面柱ランタン。京劇で用いられる面がデザインされている。こちらは劉備(りゅうび。蜀の初代皇帝)。
その裏側は右に赤い顔の関羽(かんう。劉備の側近、関帝廟の祭神)、左に張飛(ちょうひ。劉備の側近)。
奥にはもう一つの三面柱ランタンが見える。あちらは京劇における空想の物語の主人公が題材。
顔の正面が見えるのは女将軍の穆桂英(ぼくけいえい)といってあちらでは大変人気がある演目の主人公だそうだ。
こちらは仙人の鍾離権(しょうりけん)とのこと。
もう一面は「西遊記」でおなじみの孫悟空(そんごくう)。
桃の木。桃は古来より長寿を象徴する縁起物。会場の何本もの桃のランタンは「蟠桃園(ばんとうえん)」を表現している。
懐かしのドラマ「西遊記」。初代の第一話で悟空は三蔵法師の弟子となる前、地上界の覇者となり天上界の天帝に召された。しかし不老長寿で知られる蟠桃園の桃を食い散らかした上に争いごとを起こして大暴れし、仲裁に入った天竺・雷音寺の釈迦如来との賭けに敗れて地上界の岩に封印されてしまった。
西遊記は日テレによる初代の放映(昭和53・1978年)以来、幾度となくリメイクされて放映されてきた。どのバージョンを視聴したかでその世代ごとにそれぞれの思い入れがあろうが、自分にとっては初代のそれがなじみ深い。
会場のメインオブジェは天竺の霊山、雷音寺(らいおんじ)。
高さ5m、幅10mの迫力あるランタン。
釈迦如来。
三蔵法師。思い出すのは夏目雅子の「悟空!」という凛とした声。それはそれは美しかった。後ろの白龍は白馬と化して三蔵法師の旅の供をする。
雷音寺のランタンは奥行きも5mある。
孫悟空。堺正章のべらんめえ悟空は本当にはまり役だった。
沙悟浄(さごじょう)。悟浄といえば、岸部シロー(四郎)。前年の夏の終わり、「おっしょさん」を追ってあちらへ旅立ってしまった。
猪八戒(ちょはっかい)。八戒は自分としては初代の西田敏行がなじみ深い。
山下町公園の隣りには媽祖廟(まそびょう)。
公園を出て媽祖廟の正面に廻る。
ライトアップされた姿が美しい。
媽祖廟の九龍(黄龍)。
続いて関帝廟。
こちらのライトアップも見事。
西門通りの九龍陳列窓には横濱中華学院の獅子舞が展示されていた。
延平門(えんぺいもん。西門)。
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