令和元年(2019)6月中旬の、アジサイを愛でるウォーキング。
スタートは相鉄線西谷(にしや)駅。西谷駅から新線開業間近の羽沢(はざわ)横浜国大駅へと歩く。その先は「滝ノ川あじさいロード」、「三ツ沢せせらぎ緑道」、豊顕寺(ぶげんじ)市民の森、三ツ沢公園を経て浅間下(せんげんした)へ向かう。
今回は分水嶺の尾根を超えながら三つの河川流域(帷子川水系菅田川、鶴見川水系鳥山川、滝ノ川水系反町川)を巡って歩く。
2.滝ノ川あじさいロード
滝ノ川の上流部(保土ケ谷区峰沢町)は川が暗渠化され(川に蓋をした状態)、その上部には紫陽花の遊歩道「滝ノ川あじさいロード」が整備されている。途中には野菜直売所もある。色とりどりのセイヨウアジサイやガクアジサイのほか、園芸品種として人気のオタフクアジサイ(ウズアジサイ)やカシワバアジサイ、アナベルといった品種もみられる。
1.西谷駅から羽沢横浜国大駅、滝ノ川あじさいロード入口へはこちら。
「滝ノ川あじさいロード」入口の標柱。こちらの入口は「大池道路」の上流側(保土ケ谷区峰沢町)となる。奥に見える高架は第三京浜。
大池道路を相鉄線和田町(わだまち)、上星川(かみほしかわ)駅方面に少し引き返したところにある「三ツ沢池」バス停。かつてこの地に存在した溜池の名がバス停名に残っている。「大池道路」の名も、滝ノ川の水源近くに築かれた溜池に由来する。
ウェブ上でも参照可能な明治後期〜昭和初期の市域全図や地形図では、溜池の姿が確認できる。
参考ウェブサイト
「国際日本文化研究センター(日文研)所蔵地図データベース」
「Stanford Geospatial Center(スタンフォード大学地理空間情報センター)>Gallery>Japanese Imperial Maps Gallery View>Japan 1:50,000」
谷戸の絞り水を集める滝ノ川は、その水量が多くはなかった。そこで渇水期に灌漑用水が不足しないようにと本流・支流の源流各所に溜池が造られた。江戸時代後期の地誌「新編武蔵風土記稿」巻之七十橘樹郡之十三小机領神奈川町耕地・滝ノ川の項によると、滝ノ川の水源は近郷の溜井六ケ所とある。その内訳は六角橋(ろっかくばし)村、片倉村、神大寺(かんだいじ)村、帷子町(かたびらちょう)、青木町・字沢渡(あざ さわたり)の各所。三ツ沢池のあった保土ケ谷区峰沢町は江戸時代には東海道保土ヶ谷宿を構成する町の一つである帷子町の町域に属していた。
案内板によると「滝ノ川あじさいロード」は平成5年(1993)頃までは開渠(かいきょ)だった川が暗渠(あんきょ)化され、その上部を平成12年(2000)までに整備して造られた。
滝ノ川はこの付近を源流の一つとして東海道神奈川宿の河口(滝ノ橋付近)に注ぐ小河川。滝ノ川の古来からの川筋は六角橋、片倉、神大寺付近を源流として東白楽(ひがしはくらく)から反町(たんまち)を経て河口へと注ぐ川筋と、峰沢町、常盤台、岡沢町付近を源流として三ツ沢から反町で合流する川筋、沢渡を源流として反町で合流する川筋に分けられる。
三ツ沢を流れるこちらの流れは厳密には滝ノ川支流の反町川となるが、川の名称は昭和初期の地図ではすでに「滝ノ川」となっており、地域における通称としても「滝ノ川」の方が通りがいいようだ。
参考「かながわの川(上)」
カラーマンホール(プリントシール蓋)には横浜市環境創造局・下水道事業のイメージキャラクター、カバの「だいちゃん」。「滝ノ川あじさいロード」のレンガ舗装には下水汚泥を焼却して再生した「ハマレンガ」が使われた。暗渠化された河川は、大体が下水道に利用されている。
季節は6月の中旬、見頃を迎えた紫陽花。
第三京浜の高架下をくぐる。
高架下にはレンガで造られた「峰の赤富士」。
手押しポンプの井戸。
園芸業界では「オタフクアジサイ」の名で知られる、ウズアジサイ。
暗渠の上に造られたせせらぎには、スイレンが植えられている。
濃いピンクや。
濃いブルー。目にも鮮やか。
セブンイレブンの裏手を通過。
白くて長い花房のカシワバアジサイ。
野菜直売所。
ガクアジサイ(萼紫陽花、額紫陽花)の内側の細やかな花も開花が始まっている。右下の花のように、つぼみもまだまだ目立つ。
白いアジサイ。
色とりどりのセイヨウアジサイにガクアジサイ。
近頃あちこちで見かけるようになった、アナベル。
「滝ノ川あじさいロード」の入口ゲート。高架は「新横浜通り」の立体交差。
ゲートが建てられているのは「横浜新道(一般道路区間)」と「新横浜通り」が立体交差する「三ツ沢公園入口」交差点のあたり。
バス停は「三ツ沢西町」。交差点を歩道橋で渡り、「三ツ沢せせらぎ緑道」へ。
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