平成25年(2013)5月、帷子川(かたびらがわ)分水路・取水庭(横浜市旭区)から西谷(にしや)農専地区、新井町(あらいちょう)公園、菅田(すげた)いでど公園を経て菅田・羽沢(すげた・はざわ)のキャベツ畑までを歩く。
横浜の農専地区ウォーキング、広がる空と大地へ
帷子川分水路取水庭は相鉄線鶴ヶ峰駅と西谷駅の中間、R16旭区下白根(しもしらね)にある。帷子川分水路の向こうに見える小山は猪子山(いのこやま)緑地。その裾に、帷子川支流の新井川が流れている。分水路沿いに、国道16号を横断して緑地の下まで行く。
トンネルの上から振り返って見る可動堰は小型ダムのよう。手前を立体交差するのは新井川の水路。
猪子山のすそを通る旧道。上に猪子山の斜面緑地が広がっている。
狭い旧道沿いを少し行くと新井川沿いとなり、やがて新しい道に合流するが、またすぐに道幅は狭くなる。
道沿いにしばらく行き、信号の手前で交差する狭い道を右に上がっていく。
この辺りからは保土ケ谷区。坂の左手に伏見稲荷堂という小さな祠がある。
右手には新井中学校が見えるが、高台を目指して左を登っていく。
登った上は、西谷農専地区。大きな生産緑地が広がっている。
新井町公園への農道をたどる前に、まっすぐに進みさらなる高台に上がってみる。
右手の視界が開けた。
東戸塚・オーロラシティのタワーマンション群が見える。
高台の先からはみなとみらいも一望。
振り返れば西の空には丹沢・大山。雲がなければ大山の左に富士山も見える。
農専地区のすぐ隣の愛宕山には資源循環局旭工場の煙突が立つ。その左手には「ココロットつるがみね」のタワーが見える。
右手には猪子山の尾根続きに、保土ケ谷区上菅田町(かみすげたちょう)のNTT無線中継所タワー。
農道の分岐に戻り、新井町公園へ。分岐に入った先を、左へ行く。
振り返ったところ。右側の道が下から歩いてきた道。右奥が見晴らしのよい高台。
奥の突き当りを右に折れて細い道を抜けていく。
農地を抜け、コンクリート階段を下りていくと、新井町公園が見える。左手には芝生の土手、右手には遊具のある広場。
遊具の広場から来た道を振り返る。
広場の隣は湧水の池がある庭園になっている。
小さな池だが、八つ橋を渡し、キショウブやカキツバタが植えられている。池にはホタルも生息するという。
和風の落ち着いたたたずまい。谷戸(やと)の湧水が集まるこの辺りが公園の一番低いところ。
そのまたすぐ隣が芝生の土手。いくつもの土管を利用した広場は、こどものあそび心をそそるつくりだ。
公園のいちばん上に上がっていくと、洋風庭園になっている。
新井町一帯でかつて茶の生産が行われていたことにちなみ、学習の一環としてお茶の木の栽培がなされている。教育水田は近くに谷戸のある学校でいくつか例があるが、教育茶畑は珍しい。
ここで公園を後にし、菅田・羽沢地区を目指す。
すぐ上の尾根を越えると新井川流域から菅田川(すげたがわ)流域へ。尾根の向こうは笹山団地。
団地を下るように抜けていく。
笹山小学校の下を、保土ケ谷区上菅田町(かみすげたちょう)から神奈川区菅田町(すげたちょう)方面へ向かう。
道の途中、左手には明神社の小さな祠。
やがてバス通り(山崎通り。R16保土ケ谷区梅の木からJR横浜線鴨居駅へ抜ける)と交差する。
道を渡った右手のすぐ、尾根へ上る道に入る。
まだまだ健在の内陸部原風景に、自らの少年時代を思い出した。
上りきったところは、保土ケ谷区と神奈川区の区界。左手が動物愛護センター、右手へ尾根道たどるとやがて菅田いでど公園への分岐へ。
尾根道をゆく。この尾根は帷子川支流の菅田川と鶴見川支流の砂田川(すなだがわ)の分水嶺。
分岐の少し手前、左手の眺望が大きく開けている。ずらりと立ち並ぶ超高層ビル群。新川崎から武蔵小杉、その間に多摩川対岸の大田区下丸子(しもまるこ)あたりが見えているようだ。
分岐を下っていくと、菅田いでど公園。公園の底へ、公園内を下っていく。
いでど(出戸)とは、この辺りの字(あざ)である「出戸谷(いでどやと)」からとった名称であろう。
森の大木がそのまま公園の植栽に。
いでど公園の底。広場になっている。
もともとこの広場は地域の旧家である小川家の屋敷地であったが、昭和52年(1977)に寄贈されて公園になった。
この辺りは「出戸谷(いでどやと)」という字(あざ)が示す通り、砂田川の源流域となる谷戸である。今では「菅田町小川アメニティ」として水路が整備されている。砂田川はやがて鳥山(とりやま)川、鶴見川へと合流してゆく。
ここから右奥に見える道を上がり、農専地区の高台へ上っていく。
振り返ると、いでどの森が見える。
高台に上がると、いきなり南国ムード。
この辺りには造園業者の樹木園がいくつもひろがっている。
そのむこうに、広大なキャベツ畑が広がる菅田・羽沢農専地区。ここは地区全体の一部分であるが、それでも40ヘクタール近くある。
菅田・羽沢高原(と私が勝手に言っているだけ)の、キャベツ畑。
キャベツ畑の向こうにちょこっと頭を見せる、ランドマークタワー。
空にはヒバリがピーチクパーチクと舞い、キャベツ畑の青々とした匂いが鼻をくすぐる。
別の方角には、新横浜プリンスホテルが。
タワーが飲み込まれそう。
資源循環局都筑(つづき)工場の青白煙突。
資源循環局旭工場の煙突と、ココロットつるがみねのタワー。
この地からは、周辺のさまざまなランドマークが一望できる。まさに高台ならでは。
織りなす農風景。周囲とは、別世界。
広い青空、青い畑。
「緑の大地」碑。
周囲とはここだけ地形が異なるこの広大な農地は、実は土地改良区としてつくられた。その経緯が碑文に刻まれている。
それによると、昭和40年代の東海道貨物線・横浜羽沢(はざわ)駅の建設の際、大量に出た土砂を土地改良区の設置を前提にこの地に埋め立てた、とある。
この後は、相鉄バス「西菅田団地バス停(西菅田団地〜横浜駅西口)」(碑から徒歩5分)、市営バス「釈迦堂前バス停(市営83系統・旭硝子前〜横浜駅西口、市営129系統・鶴ヶ峰駅〜新横浜駅)」(碑から農地の南側へ下り、徒歩10分)など、最寄りのバス停を利用できる。
釈迦堂前バス停の手前分岐からは、相鉄新横浜線・羽沢横浜国大駅(碑から徒歩30分)に出ることもできる。農地を抜け、新幹線の跨線橋を渡り、農地を抜けて下っていくと、環状2号線を跨ぐ歩道橋から羽沢横浜国大駅に下りていくことができる。
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